消費税2%増税後、5%がポイント還元される!?オトクなキャッシュレス決済

とうとう新年号が発表になり、平成もあとわずかとなりました。そんな2019年=令和元年10月から、消費税が増税になります。現行の8%から2%増え、10%に増税されますが、増税直後はキャッシュレス決済に限り、最大5%がポイント還元される施策も同時に実施されるようです。

そこで、消費税増税後のキャッシュレス決済によるポイント還元を中心に、据え置きになるものやポイント以外で政府から補助が出るものなどをまとめました。増税前にぜひ一度チェックしておきましょう!

ポイント還元率はお店によって違う?

ポイント還元率は、お店によって大きく違います。

還元率 分類 主な店舗
5% 中小の小売店 規模の小さなスーパー、飲食店、宿泊施設など
2% 大手フランチャイズチェーン コンビニ、ファミリーレストラン、カフェ、ガソリンスタンドなど
なし 大企業、医療機関など
もともと非課税の業種
百貨店、病院など

日常生活の中で利用することが多いのは、「コンビニ」「大手チェーン店の外食」「小売店やスーパー」などではないでしょうか。これらのお店は以下のように分けられます。

  • 【コンビニ・大手チェーン店の外食】2%還元
  • 【小売店・スーパー】5%還元

この施策によって、しばらくはコンビニで買い物をする時に実質税率8%のままで買い物ができそうですね。しかし、三越や伊勢丹などの大きな百貨店では、還元なしの見込みです。また、個人経営に近いような小さな飲食店や小売店などでは、消費税以上の5%還元が見込めます。

ポイント還元の施策は期限つき?

このポイント還元は、増税開始から9ヶ月間という期間限定の施策の予定です。具体的には、以下の期間で行われる予定です。
  • ポイント還元期間:2019年(令和元年)10月〜2020年(令和2年)6月

この期間はあくまでも2019年(平成31年)3月時点の情報ですので、今後変更になる可能性もあります。

ポイント還元が受けられるのはキャッシュレス決済のみ

ただし、こうしたポイント還元が受けられるのは「キャッシュレス決済のみ」です。クレジットカードや電子マネー、スマホ決済サービスなどがそれに当たります。以下に2018年(平成30年)末の時点で内定しているクレジットカード会社、電子マネー、スマホ決済サービスをご紹介します。

  • 【クレジットカード】三菱UFJニコス、三井住友、UC、JCB
  • 【電子マネー】WAON、nanaco、Suica、楽天Edy
  • 【スマホ決済】PayPay、LINE Pay、Origami Pay

また、今後は大手銀行が主導するスマホ決済サービスも加わる予定です。さらに、クレジットカード、電子マネー、スマホ決済サービスのいずれも今後、対応サービスが増えていく可能性があります。もし、現時点でこれらのキャッシュレス決済を利用しようかどうしようか迷っている、という人はこの機会に利用を始めてみてはいかがでしょうか。

現金ではポイント還元が受けられない!

今回のポイント還元施策で重要なポイントは「現金支払いではポイント還元が受けられない」ということです。あくまでも「キャッシュレス決済」のみのサービスなのです。

消費税が8%据え置き・補助・非課税のものなど

以下のようなものは、今回の消費税増税またはポイント還元の対象外です。

  • 【食料品】8%据え置き(※ポイント還元あり?)
  • 【住宅・車など】政府から特別な補助が出るため、ポイント還元はなし
  • 【もともと消費税は非課税のもの】病院・薬局(処方箋による処方)・介護サービス・学校の授業料や入学金、受験料など

それぞれ詳しく見ていきましょう。

食料品は消費税8%のままでポイント還元あり?

食料品は、そもそも今回の消費税増税から外され、税率8%のままとなる予定です。そこで気になるのがポイント還元も受けられるのかどうかですが、ここについては政府から明言はありません。

しかし、ポイント還元の対象外としても言及されていないため、現時点ではポイント還元ありと考えて良いようです。

ポイント還元の対象外となるもの

もともと消費税がかからない病院の診療代や学校の授業料・入学金などはもちろん、住宅や車などは政府から別に補助が出るため、ポイント還元の対象にはなりません。

また、商品券や切手、プリペイドカードなど、換金しやすいものはポイント還元されません。これは「金券を買ってポイントをもらったあと、金券を売ってポイント分を儲ける」といった不正な取得を防ぐためです。

どうしてポイント還元するの?

消費税が増税になるのは、今回が初めてではありません。過去には「消費税の導入」「3%→5%の増税」「5%→8%の増税」と、3回の増税がありました。特に、5%→8%に増税されたときは、増税直前に「駆け込み需要」という動きが大きく報道されました。

駆け込み需要とは、家電やストックしておける生活用品などを大量に買い込んでおき、増税後は買わなくても済むようにしよう、という動きです。駆け込み需要があると、増税直後に一時的にお金が使われにくくなり、景気が悪くなってしまうため、この動きを抑えようとしたのが「ポイント還元」です。

オリンピックに向けて景気を良くする意図も

また、2020年に東京オリンピックが開かれ、日本円に馴染みのない外国の人が多く来ることを予想して「キャッシュレス決済」の普及を増やす目的もあるようです。これは、よく来日している外国人の多くがキャッシュレス決済の利用が多い国の出身なので、こうした人々にもオリンピックで日本に来たときに使いやすいようにとのことです。

例えば、2018年(平成30年)度に海外から日本に来た人の国籍を見ると、トップ5は以下のようになっています。

【1位】
中国 8,380,034人
【2位】
韓国 7,538,952人
【3位】
台湾 4,757,258人
【4位】
香港 2,207,804人
【5位】
アメリカ 1,526,407人
出典:JNTO(日本政府観光局)「訪日外客数(2003〜2019年)

そして、これらの国でキャッシュレス決済がどのくらい普及しているかを見ると、以下のようになっています。

中国(※2015年)
60.0%
韓国(※2016年)
96.4%
台湾(※2018年)
37.7%
アメリカ(※2016年)
46.0%
出典:株式会社野村総合研究所「キャッシュレス化推進に向けた国内外の現状認識
出典:中華民国(台湾)外交部「TAIWAN TODAY
※香港に関しては公式のデータなし

中国では偽札が多く出回って現金への信頼が薄れていたこと、韓国では政府が手動してクレジットカード決済を始めとするキャッシュレス決済を推進してきたことが大きいですが、続く台湾やアメリカでも2人に1人ぐらいの割合でキャッシュレス決済を使っている人がいるのがわかります。

一方、日本のキャッシュレス決済の普及状況は2016年(平成28年)で20.0%と、これらの国々に比べて非常に低い割合です。すると、せっかくオリンピックで日本に来てくれた人たちが使い慣れた決済方法を使えず、観光や食事などができなくなってしまうかもしれません。

特に、3位以下を大きく引き離して日本に来る人数が多い中国や韓国では、キャッシュレス決済が大きく普及しています。また、ヨーロッパの中では圧倒的に訪日数が多いイギリス、北米大陸でアメリカに次いで訪日数が多いカナダでもキャッシュレス決済の普及率は60%前後と、過半数の人がキャッシュレス決済を活発に使っています。

これらの国々と歩調を合わせるためにも、キャッシュレス決済が推奨されているのです。

まとめ

消費税増税に合わせ、2%または5%のポイント還元が実施されます。「9ヶ月限定の施策」「キャッシュレス決済のみ」という制限はありますが、コンビニや大手外食チェーンなどでも2%が還元されるため、しばらくは実質消費税8%のままで利用できそうですね。

政府がキャッシュレス決済を推進しているのは、2020年(令和2年)のオリンピックに向けた施策でもあります。日本に来る人の多い中国や韓国を始め、先進国の多くで普及しているキャッシュレス決済を取り入れ、オリンピックによる経済効果も狙う目的がありそうです。